(No.4361) ライダーカップと熱狂的応援

 ライダーカップが始まる。米国と欧州の対抗戦だが、国の対抗戦ではない。そもそも英国と米国の戦いだったのが、アイルランドが加わり、そして欧州となった。英国だけでは米国と戦えなくなったからだが、英国がEUから脱退したから「英国とEU連合」と言うことになるのだろうが、フラッグはEUの旗を使用することになっている。
 ライダーカップでの米国ファンの熱烈な応援ぶりは想像を絶する。多国籍軍である欧州チームを撃破する姿は、世界の覇者としての米国を彷彿させるのであろう。欧州選手がミスをすると拍手し、良いプレイをするとブーイングする。打とうとすると大声が上がり、プレショットルーティンに入ると選手の悪口を叫ぶ。2008年の米国キャップテンだったポール・エイジンガーは、15000人が集まった前夜祭で「欧州選手のミスは称賛の対象だ」と鼓舞した。アンソニー・キムは、相手のイアン・ポールターがパットをしようとするとその周りを歩き回り、ティグランドでは”shoulder-barging"(サッカー選手が肩をぶつけ合う行為)をした。
 欧州チームは否定するが、欧州開催では逆のパターンになる。米国が欧州開催で勝利したのは、1993年英国ベルフライが最後でその後は勝利していない。一方欧州は、1995 Oak Hill, 2004 Oakland Hills, 2012 Medinahと敵地で勝利を重ねた。2014年スコットランドのGleneaglesで敗れ大会3連敗となった米国は、ミケルソンがキャップテンのトム・ワトソンを批判する醜態を見せた。これを受けて、PGAは"Ryder Cup Task Force"を立ち上げて、協会、選手共同で対策を立案し、2016年の勝利に結びつけた。大会開催の5日前に死亡したアーノルド・パーマーに、キャップテン、選手が勝利を誓う図式は如何にも米国的で、ファンを熱狂させた。これに火を付けたのがマスターズ勝者のトニー・ウィレットの兄、米国ファンを“cretins”(間抜け) “fat, stupid, greedy, classless, bastards”と扱き下ろした。言葉は過激だが米国ファンの特徴を見事に言い当てたと言える。怒った米国ファンはウィレットを野次り倒し、憔悴したウィレットは惨敗した。その他の欧州選手も米国ファンの傍若無人の振る舞いに苛立ちペースを乱した。
 マキロイは”on the road"で勝つのは増々難しくなっているという。欧州チームの殆どの選手は米国に大邸宅を構え、年間の大部分を米国で競う。ライダーカップで戦うのは日頃のツアー仲間である。日常の延長と思えるのだが、異なるのは地域対抗戦ということだ。戦う相手に敵地のファンが加わる。今後とも「ホームアドバンテージ」は続くのであろう。
 楽老は「2003 Ryder Cup Oakland Hills」と書かれた開催記念のジャケットを持っている。2001年に英国で予定されていた大会は、”Sep 11”事件を受けて延期され、2003年Oakland Hillsで開催予定の大会も2004年に順延となった。開催が決まると早々に2003年の記念品販売が始まり、延期となっても在庫を売りつくしかない。Oakland Hillsでラウンドをしたのは丁度その時だった。開催されなかった大会の記念ジャケット、決して高級な仕立てではないが、一瞬しか販売されなかったレア物で、尚且つ友人からのプレゼントだけに今尚捨てきれない。

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